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NXP SemiconductorsはWi-Fi 6、Bluetooth 5.2、802.15.4の3つのプロトコルをサポートする業界初のセキュアなトライラジオ・デバイスであるIW612を発表しました。NXPの新トライラジオ製品ファミリの製品であるIW612はスマート・ホーム、車載、産業分野のユースケース向けにシームレスでセキュアなコネクティビティを実現し、新しい画期的なMatterコネクティビティ・プロトコルに対応します。IW612により、ユーザーは単一プロトコル・エコシステムの制約から解放され、さまざまなエコシステムやワイヤレス・ネットワーク技術を横断するシームレスな相互運用性のメリットを得られるようになります。さらに、開発者は1つのデバイス上で3つの無線を同時にサポート可能なNXPの最新の共存機能を活用し、コスト低減と開発期間短縮を実現できます。
IoTが直面している重要な技術的課題の1つが相互運用面での制約で、これにより、ユーザーは異なる企業のスマート・ホーム製品を組み合わせて使用する際に制約を受けています。MatterはNXPなどの業界リーダーのコンソーシアムによって策定された新しい標準化IoTコネクティビティ・プロトコルで、メーカーやワイヤレス技術に左右されずにデバイスが通信する方法を統一することにより、こうした制約に対応しています。Matterは多数の対象物の間で多くの接続を実現することにより、メーカーによる開発とユーザーにとっての互換性を簡素化します。
新時代の相互運用性をサポートするため、IW612は業界をリードするコネクティビティ無線の3つを初めて1つのデバイス上に統合し、堅牢な無線性能を提供するとともに高性能RFフロントエンドを統合しています。この技術の組み合わせにより、スマート・ホームで真の相互運用性が実現し、開発期間の大幅な短縮、設計の簡素化、コスト低減が可能になります。高集積ソリューションであるIW612は現在開発者が直面しているハードウェア共存の技術的課題を克服すると同時に、IoTが直面し急増しているセキュリティにおける脅威の阻止を可能にする先進セキュリティ・プロトコルを実現します。
IW612はセキュアなソリューションの提供におけるNXPの長年のリーダーシップを活かし、スマート・デバイスが直面しているセキュリティの脅威への対処を可能にします。IW612は実行中の保護機能のためのセキュアな起動/デバッグ/Over-the-Air(OTA)ファームウェア・アップデートのほか、WPA3セキュリティ、ハードウェア暗号化エンジンを提供します。
NXPの副社長兼ワイヤレス・コネクティビティ・ソリューション担当ゼネラル・マネージャーのLarry Olivasは、次のようにコメントしています。「IW612により、開発者は1つのデバイス上で異なるワイヤレス・コネクティビティ・プロトコルの活用が可能になり、スマート・ホーム、産業、車載分野のユースケース向けに使いやすくセキュアな製品を開発できるようになります。ドアロック、スマート・スピーカーから車内エンターテインメントやテレマティクスに至るまでのさまざまな製品が、Matterなどの複数の技術やエコシステムに対応するNXPのトライラジオ・ソリューションのメリットを享受できるようになります。これにより、開発者にとってコスト効率のより高いソリューションが実現するとともに、ユーザーへの展開がスムーズになります」。
ABI Researchのリサーチ・ダイレクターのJonathan Collins氏は、次のようにコメントしています。「長年にわたり、スマート・ホーム市場を分断する大きな技術的課題となってきたのが相互運用性でした。しかし、Matter対応機器がその状況を一変させます。NXPの新しいモノリシック・デバイスにより、開発者にとってMatter対応コネクティビティ・プロトコルのスマート・ホーム・アプリケーションへの活用と、Matter規格採用の加速が可能になりました。結果的に、ユーザーにとってスマート機器の接続が容易になり使いやすさが向上するとともに、相互運用可能な機器の選択肢が広がります」。
IW612の詳細
IW612は内蔵のWi-Fi 6無線を使用してThreadやBluetooth機器をクラウドに接続する必要のあるスマート・ホーム内のボーダー・ルーター、ブリッジ、ゲートウェイに最適です。さらに、IW612はMatter対応機器がWi-FiあるいはThreadのいずれを使用する場合でも、こうした機器間の通信を可能にします。これにより、Matter-over-Wi-Fi製品によるMatter-over-Thread製品の制御と監視、さらにその逆パターンであるMatter-over-Thread製品によるMatter-over-Wi-Fi製品の制御と監視が可能になり、シームレスな相互運用性が実現します。
主な特長:
製品の供給
IW612はサンプル供給を開始しており、CES 2022でライブ・デモを実施しました。詳細については、https://www.nxp.com/products/wireless/matter:MATTER-PROTOCOL?tid=vanmatter をご覧いただくか、NXPの営業所にお問い合わせください。
NXPのコネクティビティ・ポートフォリオについて
NXPは業界で最も広範なワイヤレス技術ポートフォリオの1つを提供しており、予測と自動化を行うコネクテッド・ワールドに向けたビジョンの促進にコミットしています。EdgeVerseプラットフォームのプロセッシング能力とともに、NXPはスマートなコネクテッド・デバイスの実現において比類のない地位を確立し、人々の生活をより容易に、安全に、便利にしています。人々のインターネットへの接続、IoTデバイスのクラウドへの接続、今までにない新たな方法によるクルマとのコミュニケーション、そのいずれに関しても、お客様はNXPの製品ポートフォリオにより、最も革新的なアイデアを自信と信頼感を持って進化させることができます。NXPはパートナーと協力し、世界をつなぎ、社会をともに進化させるソリューションを提供しています。
NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductorsは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラ市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約2万9,000名の従業員を擁しています。2020年の売上高は86.1億米ドルでした。詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。
NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。
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