PCA9632は、赤/緑/青/アンバー (RGBA) 混色のアプリケーション向けに最適化されたI²Cバス制御4ビットLEDドライバです。PCA9632はPCA9633のドロップイン・アップグレード製品であり、消費電力を1/40に削減しています。個別輝度制御モードでは、各LED出力は、1.5625 kHzで動作する8ビット分解能(256ステップ)の固定周波数PWMコントローラを個別に使用し、0%~99.6%に調整可能なデューティ・サイクルによりLEDを特定の輝度に設定できます。グループ調光モードでは、各LED出力は、6.25 kHzで動作する6ビット分解能(64ステップ)の固定周波数PWMコントローラを個別に使用し、0%~98.4%に調整可能なデューティ・サイクルによりLEDを特定の輝度に設定できます。5番目の4ビット分解能(16ステップ)のグループPWMコントローラは、190 Hzの固定周波数を使用し、すべてのLEDを同じ値で調光できます。
点滅モードの動作では、各LED出力は、1.5625 kHzで動作する8ビット分解能(256ステップ)の固定周波数PWMコントローラを個別に使用し、0%~99.6%に調整可能なデューティ・サイクルによりLEDを特定の輝度に設定できます。点滅速度は、8ビット分解能(256ステップ)のグループ周波数設定によって制御されます。点滅速度は24 Hzと10.73秒周期の間で調整可能です。6 Hz~24 Hzのグループ周波数設定の場合、グループPWMは6ビット分解能(64 ステップ)で、デューティ・サイクルを0%~98.4%に調整可能です。6 Hz~0.09 Hz(10.73秒周期)のグループ周波数設定の場合、グループPWMは8ビット分解能(256 ステップ)で、デューティ・サイクルを0%~99.6%に調整可能です。
各LED出力は、オフ、オン(PWM制御なし)、個別PWMコントローラの値、または個別とグループ両方のPWMコントローラの値に設定できます。LED出力ドライバは、5 Vで25 mAの電流シンク能力を備えたオープン・ドレイン、または5 Vで25 mAのシンク能力と10 mAのソース能力を備えたトーテムポールのいずれかにプログラムされます。PCA9632は2.3 V~5.5 Vの供給電圧範囲で動作し、出力は5.5 Vトレラントです。LEDは、LED出力に直接接続(最大25 mA、5.5 V)することも、より大電流または高電圧のLEDを実現するために外付けドライバと最小限のディスクリート・コンポーネントを使用して制御することもできます。
PCA9632は、ファストモード・プラス (Fm+) ファミリに新たに加わった製品です。Fm+デバイスは、より高い周波数(最大1 MHz)とより高密度のバス動作(最大4000 pF)を実現します。
ソフトウェアでプログラム可能なLEDグループ・コール・アドレスと3つのサブ・コールI²Cバス・アドレスを使用することで、PCA9632デバイスのすべてのグループまたは定義されたグループが共通のI²Cバス・アドレスに応答できます。これにより、すべての赤色LEDを同時にオン/オフすることや、マーキー・チェイス・エフェクトなどが可能になり、I²Cバス・コマンドを最小限に抑えることができます。
ソフトウェア・リセット (SWRST) コールを使用すると、コントローラがI²Cバスを介してPCA9632をリセットできます。レジスタをデフォルト状態に初期化するパワーオン・リセット (POR) と同様に、出力はハイインピーダンスに設定されます。これにより、簡単かつ迅速にすべてのデバイス・レジスタを同じ状態に再設定できます。