お客様の素早い設計とより早い製品化を実現する、技術情報と専門知識をご紹介します。
車載プロセッシングで世界をリードするNXP Semiconductorsは16nm FinFETテクノロジを使用した業界初の車載用MRAM(Magnetic Random Access Memory)の提供に向けてTSMCと提携することを発表しました。ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)への移行が進む中、自動車メーカーは単一のハードウェア・プラットフォーム上で複数世代のソフトウェア・アップデートをサポートする必要があります。NXPの高性能なS32車載プロセッサと、16nm FinFETテクノロジの高速かつ信頼性の高い次世代不揮発性メモリを統合することにより、移行に理想的なハードウェア・プラットフォームが誕生します。
20MBのコードのアップデートに約1分かかるフラッシュメモリに対し、MRAMは3秒で完了するため、ソフトウェア・アップデートに伴うダウンタイムが最小限に抑えられ、自動車メーカーは長いモジュール・プログラミング時間から生じるボトルネックを解消することができます。さらに、MRAMはフラッシュメモリや他の新しいメモリ・テクノロジよりも耐久性が10倍高く、100万回のアップデート・サイクルに対応しており、車載ミッション・プロファイルにふさわしい高い信頼性を提供するテクノロジです。
また、SDVにより、自動車メーカーは快適性、安全性、利便性に関する新機能の導入がOTA(Over-The-Air)アップデート経由で可能になるため、自動車の長寿命化と機能性、魅力、収益性の向上を実現することができます。自動車におけるソフトウェアベースの機能が普及すると、アップデート頻度が高くなり、MRAMのスピードと堅牢性がこれまで以上に重要になります。
TSMCの16FinFET組み込みMRAMテクノロジは100万サイクルの耐久性、はんだリフローのサポート、150℃の環境下で20年におよぶデータ保持を特長とし、厳しい車載アプリケーション要件を上回る性能を持っています。
「NXPのイノベーターは特に要求の厳しい車載アプリケーションにおいて、TSMCの新しいプロセス技術の可能性を早くから認識していました。次世代のソフトウェア・デファインド・ビークルの実現に向けて、私たちのMRAMテクノロジがNXPのS32プラットフォームに採用されたことを大変嬉しく思います。」
TSMC, ビジネス開発担当シニア・バイスプレジデント Kevin Zhang氏
「NXPとTSMCは数十年にわたって良好な協力関係を保ち、一貫して高品質の組み込みメモリ・テクノロジを車載市場に提供してきました。NXPのS32車載ソリューション製品ラインナップに新たに加わるMRAMは次世代自動車アーキテクチャをサポートする画期的なテクノロジです。」
NXP Semiconductoers, 上級副社長 兼 車載プロセッシング担当ゼネラル・マネージャー Henri Ardevol
試験用サンプルが完成し現在評価段階にあります。初期製品サンプルは2025年初頭に主要なお客様に向けて供給する予定です。
TSMCは1987年に設立され、お客様の製品の製造を受託する、専業ファウンドリビジネスモデルの先駆者です。業界をリードするプロセス技術と設計支援ソリューションのポートフォリオにより、世界のお客様とパートナーのエコシステムの成長をサポートし、半導体業界にイノベーションをもたらしています。アジア、欧州、北米において事業をグローバルに展開し、世界各地で企業市民としての貢献を続けています。
2019年には272種のプロセス技術を展開し、最先端で特殊な高度パッケージング技術の幅広いサービスを提供することで、499社のお客様を対象に10,761の製品を製造しました。TSMCは車載グレードの16nm FinFET MRAMの製造能力を提供する初のファウンドリです。本社は台湾の新竹に置いています。
NXP Semiconductors N.V. (NASDAQ: NXPI)には、より良く、安全・安心なコネクテッド・ワールドを実現する画期的なテクノロジを生み出すために優秀な頭脳がそろっています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラの各市場で新たな可能性を拓く一方、より持続可能な未来を実現するソリューションを提供しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約3万4,500名の従業員を擁しています。2022年の売上高は132億1,000万米ドルでした。詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。
NXP、NXPロゴはNXP B.Vの商標です。他の製品名、サービス名は、それぞれの所有者に帰属します。All rights reserved. © 2023 NXP B.V.
このプレスリリースを ドイツ語で表示