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NXP Semiconductorsはパックレベルの主要機能を単一デバイスに統合した世界初のバッテリ・ジャンクション・ボックスIC「MC33777」を発表しました。複数のディスクリート・コンポーネントや外部のアクチュエータと処理サポートを必要とする従来のパックレベル監視ソリューションとは異なり、NXPのMC33777は主要なBMS機能が統合されています。OEMにとって、新しいICは設計の複雑さ、認定、ソフトウェア開発の労力、コストの大幅な削減となり、システムの全体的なパフォーマンスを向上させるメリットがあります。
この最先端のICはバッテリ電流と変化率を8マイクロ秒ごとに常時監視し、高電圧バッテリを過電流から保護します。設定可能な幅広いイベントの検知と反応が従来のICよりも最大10倍速く、例えば電流が特定のしきい値を超えるのを待つ必要がありません。MC33777にはヒューズ・エミュレーション技術が採用されており、高価で信頼性の低い溶断ヒューズをシステムから取り除くことも可能なため、OEMやTier 1サプライヤは大幅なコスト削減を実現し、車内の安全性と信頼性を向上させることができます。電気自動車では、過負荷の発生時に車両への電力を遮断するために溶断ヒューズが使用されています。そのため、ヒューズの信頼性は自動車の安全において非常に重要です。
「バッテリ・パックの監視とセーフティ・クリティカルな事象への迅速な対応に必要なものをすべて1つのデバイスに統合したことで、OEMとエンドユーザーの両方に大きなメリットが生まれます。NXPのMC33777は次世代の電気自動車向けバッテリ・ジャンクション・ボックスICとして、スピード、安全性、価格の面で優れた高電圧バッテリ・パック管理ソリューションを提供します。
NXP Semiconductors、BMSプロダクト・マーケティング担当ダイレクタ、Jesus Ruiz Sevillano
OEMにとって、最も大きなメリットの1つが「簡素化」です。MC33777 ICを使用すれば部品点数が最大80%削減するため、必要なプリント基板(PCB)スペースが抑制され、ハードウェア実装によるソフトウェア開発に伴う労力が軽減します。最終的に、NXPの最新バッテリ・ジャンクション・ボックスICにより、設計サイクルの加速と次世代EVの市場投入期間の短縮が実現します。
MC33777は応答時間にも優れているため、事故発生時に運転手と同乗者の感電リスクが低減するなど、エンドユーザーにとって安全性向上のメリットがあります。測定精度も高いため、航続距離が長くなります。つまり、運転手は1回の充電で長い距離を運転できます。
MC33777バッテリ・ジャンクション・ボックスICはNXPの電動化システム・ソリューション・ポートフォリオに新たに追加された製品で、EV内のエネルギー・フローの柔軟かつ正確な管理、航続距離の延長、車両の安全性確保を実現します。MC33777に加え、このポートフォリオにはバッテリ・セル・コントローラ、バッテリ・ゲートウェイIC、量産グレード・ソフトウェアと安全性ドキュメントが含まれています。MC33777デバイス・ファミリはelectronica 2024で正式に発表される予定です。MC33777 ICの詳細については、NXPのウェブサイトnxp.com/MC33777をご覧ください。
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