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消費電力を従来のMCXデバイスの1/3に抑えたMCX LシリーズMCUは超低消費電力のセンス・ドメインを搭載し、スマート・センサ・ノード、流量計その他バッテリに制約のある産業用/IoT機器のバッテリ寿命を延長
NXP Semiconductorsは産業および家庭用エネルギー管理の革新的なシステム・ソリューションを継続的に提供する取り組みの一環として、MCXマイコン製品ラインアップの超低消費電力Lシリーズにおける最初のファミリ「MCX L14x」と「MCX L25x」を発表しました。MCX Lシリーズは独立した超低消費電力センス・ドメインを備えたデュアルコア・アーキテクチャを特長とし、産業用モニタリング、ビル管理、流量計測用センサなど、バッテリ制約のある厳しい環境でのアプリケーションに最適です。超低消費電力で駆動するこのセンス・ドメインはリアルタイム・プロセッサがスリープ・モード中であっても完全に動作する包括的なペリフェラル・スイートを備え、独立して機能するため、継続的にデータ収集と処理を行うことが可能です。これにより、バッテリ駆動時間を最大限に延長し、バッテリ・サイズを最適化することができ、高効率の常時オン・センシングが可能になります。
バッテリ駆動のセンサはインテリジェントな産業/IoT環境の基礎として、リアルタイムのインサイトを提供し、動作効率の改善に寄与します。MCX Lシリーズの超低消費電力設計は、データ収集と報告におけるエネルギー効率を高めることにより、センサ技術における重要な課題に対応します。その結果、バッテリ駆動時間の大幅な延長、バッテリ・サイズの最適化、電源接続機器のバッテリ駆動化が可能になります。さらに、先進のセンサ・ネットワークの展開と運用が加速され、産業プロセス全体の効率向上につながります。
「インテリジェント・センサの普及が進む中、世界は継続的な環境状態の監視に基づいて予測し、自動化する方向に進化しています。そのため、低消費電力で動作することが絶対条件となっています。MCX Lシリーズはインテリジェント・センサのエネルギー効率の向上、動作時間の延長、新しいフォームファクタ、イノベーションの加速という点で大きな飛躍を実現する製品です。」
NXP Semiconductors、上席副社長 兼 インダストリアル/IoT担当ゼネラル・マネージャー Charles Dachs
MCX LはArm® Cortex®-M33コアを搭載しています。MCX L14xは最大48MHz、MCX L25xは最大96MHzで動作します。MCX L25xには超低消費電力の常時オン・センス・ドメインとして動作するCortex-M0+コアも搭載されています。MCX Lシリーズは64kB~512kBのフラッシュ・メモリと8kB~128kBのSRAMを内蔵します。
MCX Lシリーズはエッジ・データ収集とエッジ・コンピューティングの両方において超低消費電力で動作するNXP初のデュアル・パワー・ドメインMCUです。MCX L25xはフラッシュ・メモリからCoreMarkを実行するなどの代表的なワークロードにおいて24μA/MHzという低消費電力を実現し、48MHzでのリアルタイム処理と10MHzでの低消費電力演算のデュアル・オペレーションをサポートします。また、7つの低消費電力モードが用意されており、最も深いスリープ・モードでは消費電力を1μA未満に抑えることが可能です。
MCX L25xシリーズはNXPのUBX100サブGHzトランシーバーなどのコネクティビティ・ソリューションと簡単に併用でき、故障検知、存在検知、侵入検知、動作解析などのクラウド・データ処理ソリューションに利用できます。また、オンデバイスの低消費電力リアルタイム・ドメインにより、バッテリ駆動のワイヤレス・モニタリング機器向けにサブGHz無線、LoRa、Sigfoxなどの低消費電力WAN接続インターフェースからデータを伝送することが可能です。ペリフェラル対応も充実しており、欧州のスマート・メーターで必須のCE計測認証を含むセンサ・インターフェースをサポートします。低消費電力ドメインはリアルタイム・ドメインから独立して計測を実行できるため、CE Metrology認定ソフトウェアの導入が容易です。
MCX LシリーズはNXP EdgeLock®セキュリティ機能を備えており、セキュアな製造、高速セキュア・ブート、セキュア・デバッグ・アクセス/コンフィギュレーションをサポートします。MCX L25xシリーズはコネクテッド・アプリケーションをサポートするように設計されており、プロビジョニング済みのデバイス固有ID、消費電力と性能をさらに向上させる公開鍵暗号アクセラレーション、暗号スタックや計測ソフトウェアなどの機密性の高いコードを隔離するArm TrustZone®テクノロジも搭載しています。
MCX Lシリーズは他のMCXポートフォリオと同様に、NXPのFRDM開発ボードでサポートされています。FRDM開発ボードは統一されたMCUXpressoデベロッパー・エクスペリエンスでサポートされる、低コストでスケーラブルなハードウェア開発プラットフォームであり、MCX製品全体で一貫してオープンソースとの親和性の高い環境を提供します。これらの小型ボードは柔軟で迅速なプロトタイピングを可能にし、MCUのI/Oに簡単にアクセスできる業界標準のヘッダーをサポートしています。オンボードのMCU-Linkデバッグ・プローブとUSB-Cケーブルが付属しているため、開発、デバッグ、プログラミングをスムーズに行うことが可能です。
広範なMCXポートフォリオと同様に、FRDMボードも広く採用されているMCUXpressoエコシステムでサポートされます。このエコシステムにはMCUXpresso SDKが含まれており、量産グレードのドライバー、ミドルウェアが利用しやすい単一パッケージまたはGitHub経由で入手できます。デベロッパーはNXPのMCUXpresso for Visual Studio CodeまたはEclipseベースのMCUXpresso IDE、あるいは安全認証も備えたIARやKeilのIDEの中から選択できます。デバイス設定やセキュリティ、専門アプリケーションなどに向けた追加ソフトウェアやツールも用意されており、さらにNXPのパートナー・エコシステムからもさまざまな互換ミドルウェアやツールが提供されます。
NXPとそのパートナーが提供しているFRDM互換拡張ボードは拡張ボード・ハブから入手可能です。NXPのアプリケーション・コード・ハブではGitHubベースのソフトウェアサンプルにアクセスでき、ウェブブラウザやNXP IDEから簡単に検索やフィルタリングもできます。シンプルで手軽なコード・スニペットから、概念実証のデモ、リファレンス・ソフトウェアのフル・パッケージまで、さまざまな形でサンプルが用意されています。
MCX Lシリーズは2025年上半期にサンプル出荷が開始され、2025年下半期には量産出荷が開始される予定です。
詳細についてはNXP.com/MCXLかこちらのビデオをご覧ください。CESでNXPブースにお越しいただく場合はご予約をお願いいたします。
NXPのエネルギー・ソリューションは、産業用メーターからホーム・エネルギー管理システムやさらに高度なシステムまで、複雑なエネルギー管理および分配プロセスの効率を向上させ、私たちの世界が必要としているクリーンで効率的なエネルギー・インフラストラクチャの実現を支援します。NXPは革新性、堅牢性、信頼性に優れ、安全でセキュアなテクノロジを数十年にわたって提供してきた実績に裏打ちされた、信頼できるパートナーです。詳細についてはNXP.com/Energyをご覧ください。
NXP Semiconductors N.V. NXP Semiconductorsは車載、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラ市場における革新的ソリューションの信頼あるパートナーです。NXPでは「Brighter Together」アプローチにより、最先端のテクノロジとパイオニア精神を持つ人材の両方を活用し、より良く、安全・安心なコネクテッド・ワールドを実現するシステム・ソリューションを開発しています。NXPは30か国強で事業を展開しています。2023年の売上高は132億8,000万米ドルでした。 詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。
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タグ: インダストリアル&IoT