センサの利用が急速に広まっています。私たちはスマート・センサに囲まれ、センサは生活のあらゆる面に広がり続けています。非常に一般的なデバイスや家電製品にもセンシング・テクノロジが搭載されるようになり、何兆ものインテリジェント・デバイスが私たちの日常生活をより簡単にしています。
コンピューティングとコネクティビティを組み合わせたセンシング・テクノロジの広範なポートフォリオが、IoT、インダストリアル、医療、車載アプリケーションの各分野で変革を可能にしています。
NXPが新しいLow-g加速度センサ・ファミリを発表
NXPの次世代センサは、インテリジェント統合、ロジック、カスタマイズ可能なプラットフォーム・ソフトウェアのバランスが優れており、よりスマートで差別化されたアプリケーションを実現します。最近リリースされたFXLS8971CFおよびFXLS8961AF加速度センサ・ファミリは、温度範囲全体での性能が重要となる精密傾斜計アプリケーションのニーズを満たす設計になっています。FXLS8971CFは、インダストリアルおよび医療IoTアプリケーションを対象とした、温度範囲全体で高い性能を発揮する3軸Low-g加速度センサです。FXLS8961AFは、車載セキュリティおよび利便性アプリケーションを対象とした、温度範囲全体で高い性能を発揮する3軸Low-g加速度センサです。
温度範囲全体での性能:特定のアプリケーションにとって重要な仕様
加速度センサは、温度の変動がその精度と全体的な性能に影響を与える可能性があるため、特にさまざまな温度条件における性能が重要となります。安定した性能を得るためには、幅広い温度範囲で確実に動作する必要があります。オフセット温度係数 (TCO) と感度温度係数 (TCS) は、さまざまな温度条件下における加速度センサの性能に関連する重要なパラメータです。
- TCOパラメータは、温度の変化に伴う加速度センサのオフセット・ドリフトの程度を示します。TCOが低いほど、加速度センサはさまざまな温度で高い精度を維持します。
- TCSパラメータは、温度の変化によって加速度センサの感度(加速度に対する応答)がどのように変化するかを示します。TCSが低いほど、加速度センサの感度がさまざまな温度で安定していることを示します。
加速度センサのTCO/TCS性能が重要となる、特定の精密傾斜計またはレベル測定アプリケーションがあります。加速度センサがカメラの傾きを検知し、補正してブレを軽減するのに役立つ、ミラーレス・デジタル・カメラ画像安定化の例を見てみましょう。カメラは、加速度センサを利用してカメラの傾きや揺れを検知して補正することで、画像や動画を安定させます。そうすることで、画像および動画撮影の全体的なパフォーマンスが向上します。
ミラーレス・カメラの加速度センサは、いくつかの要因によって温度が上がる可能性があります。特にビデオ録画や連続撮影などの集中的なタスクで、長時間カメラを使用すると、加速度センサを含むすべての内部コンポーネントの温度が上がることがあります。画像センサ、プロセッサ、レンズ・モーターなどの他のコンポーネントからの熱が、加速度センサの温度上昇の一因となる場合があります。温度変化は加速度センサの感度と精度に影響を及ぼし、画像安定化性能に影響を与える可能性があります。TCOとTCSの仕様が高いと、温度変動による誤差が最小限に抑えられ、動きや向きをより正確に測定できます。
FXLS8971CFおよびFXLS8961AF加速度センサが優れている理由
新しくリリースされたFXLS8971CF/FXLS8961AF加速度センサ・ファミリは、温度範囲全体での性能が重要な要件となるアプリケーションに最適です。TCOが±0.2mg/°C、TCSが±0.005%/°Cという市場をリードする性能を備え、高精度の傾斜計/レベル測定アプリケーションに適しています。これらのセンサには、柔軟なセンサ・データ変更検出 (SDCD) 機能、ベクタ・マグニチュード、自動ウェイク/スリープ、FIFO/LIFO機能などの高度な機能セットが統合されています。これらの高度な機能に加えて、低消費電力で動作し(Idd Hibernateモードでは約15nA、低電力モードでは、ODRが最大6.25 Hz Iddで、1uA未満(標準))、構成可能なパワー・モードをサポートします。これらの製品は、-40°C~+105°Cという拡張温度範囲で車載 (FXLS8961AF) およびインダストリアル (FXLS8971CF) アプリケーションの仕様と信頼性の要件を満たしています。
ターゲット・アプリケーション向けFXLS8971CFおよびFXLS8961AF加速度センサの卓越した性能
これらの新しい加速度センサは、重要なユース・ケースの機会をもたらし、さまざまなアプリケーションでイノベーションを起こすことができます。
- FXLS8971CFのインダストリアルおよび医療IoTアプリケーション:カメラ画像安定化、傾き感知、レーザー距離計、機器のモニタリング、自動化された患者用ベッド、スマート吸入器など。
新しいFXLS8971CF 3軸加速度センサは、インダストリアル・アプリケーションの高精度傾き検知用に設計されています。
- FXLS8961AFの車載セキュリティおよび利便性アプリケーション:車載ヘッドライトの自動レベリング、自転車の傾き角検出、電動化されたドア、テレマティクス・ボックス、牽引検知、車載アラームなど。
新しいFXLS8961AF 3軸加速度センサは、車載アプリケーションの高精度傾き検知用に設計されています。
センサ開発エコシステムを使用したFXLS8971CF/FXLS8961AFの評価の開始
NXPのセンサ開発エコシステムは、アウトオブボックス・エクスペリエンスをシンプルにするソフトウェアとツールによって、他に類を見ないイネーブルメントと開発の柔軟性を提供しています。
センサ開発のためのエネーブルメント・エコシステム。
FXLS8971CF/61AF加速度センサ・ファミリは、NXPのセンサ開発エコシステムでサポートされています。Arduino®シールド・ボードFRDM-STBI-A8971およびFRDM-STBA-A8961、MCUXpresso SDKによるセンサ・ドライバ (ISSDK) 統合、および評価用GUIで構成されています。センサ・シールド・ボードは、LPC55S16-EVK、FRDM-K22F、およびFRDM-MCX MCUと組み合わせてデフォルトのキットにできます。
FRDM-STBI-A8971およびFRDM-STBA-A8961センサ・シールド・ボード。
また、MikroEと提携して小型フォーム・ファクタのクリック・ボードを開発し、センサ開発エコシステムを拡大しています。Inclinometer 4 Clickは、mikroBUS™ソケットと完全に互換性があり、mikroBUS™規格をサポートするホスト・システムで使用できます。
Inclinometer 4 Clickボードには、高精度の傾斜測定を可能にするFXLS8971CFが搭載されています。
FXLS8971CF/61AF加速度センサ評価ボード (EVB) は、MCUXpresso SDKとアプリケーション・コード・ハブを通じて、NXPのLPC55S16および最新のFRDM-MCX MCU用のIoT Sensing SDK (ISSDK) でサポートされています。
NXPのFXLS8971CFおよびFXLS8961AF加速度センサ製品の詳細をご覧ください。また、センサ開発エコシステムにアクセスして、評価と開発を加速させましょう。