Premium Radar SDKを初公開した2022年4月以来、20社以上のお客様が、干渉軽減機能、先進的なMIMO処理、角度分解能向上など、その先進レーダーアルゴリズムの評価を開始しました。韓国の自動車部品メーカー、Hyundai MobisはPremium Radar SDKアルゴリズムのメリットを確信して自社のイメージング・レーダー・プラットフォームに統合する決断を下し、レーダー・システムのパフォーマンスをワンランク上に上げようとしています。
「慎重に評価した結果、NXPのPremium Radar SDKの先進アルゴリズムを、S32R45レーダー・プロセッサをベースにした現在のイメージング・レーダー・プラットフォームの開発に統合することを決定しました。」
Hyundai Mobis ADASセンサ部門リーダー Moon博士
また、同社はワンチップ・レーダーSoCをベースにしたフロント・レーダー・センサの開発にもPremium Radar SDKの適用を検討しています。
レーダー技術は広く普及し、自動車での重要性が高まっています。 NCAP ”ファイブスター“ 評価を達成するために自動緊急ブレーキや死角検知などの安全機能を有効化します。その結果、レーダー・システム搭載車が増え、1台あたりに搭載されるレーダー・センサの数も増えています。そのため、レーダー干渉に対する懸念が高まっています。多くのセンサが同じ77GHz帯で発信すると、互いの機能に制限や障害を引き起こすことが考えられます。NXPのPremium Radar SDKは複数ドメインで高度な処理を行うことにより、こうした懸念を解消します。データ内の干渉信号を抑制し、S/N比を大幅に高めて後処理に送る機能が備わっています。
業界内で自動運転が高度化するにつれ、道路利用者、特に歩行者や自転車などの交通弱者を保護するためにはセンサ性能と要求度の高い機能をさらに向上させることが重要になります。車載OEM企業やTier 1サプライヤにとって、要求度の高い機能を搭載することは大きな課題です。たとえば、レーダー・センサの性能を継続的に強化しながら一定コスト内に収める必要があります。
性能強化のために部品を増やすと、レーダー・システムのサイズ、コスト、複雑さが増してしまいます。それに対処する最適かつ持続可能な方法は先進的なレーダー・シグナル・プロセッシングを採用し、演算能力の強化によってレーダー能力を高めて利用可能なハードウェア・リソースを有効活用することです。 Premium Radar SDKの先進MIMO処理技術を活用すれば、小さなアンテナ・アレイでも大きなアンテナ・アレイのメリット、エレベーション・センシング、高分解能を低コストで実現できます。
次世代自動車で重要性を増すレーダーレーダー・センサ開発に役立つPremium Radar SDKをご確認ください。
Premium Radar SDKには「超角度分解能アルゴリズム」というもう一つの特筆すべき特長があります。 アルゴリズムにより、レーダー・センサの物理的なアンテナ・アパーチャに伴う角度分解能の限界を超えて、レーダーのサイズを大きくせずに、角度分解能を2～4倍に向上させることが可能です。このアルゴリズムは均一なリニア・アレイとスパース・アレイの両方のアンテナをサポートしており、お客様のレーダー・アンテナ設計に幅広く対応します。
アルゴリズムはNXPの最新世代と将来のレーダー・プロセッサとワンチップ・デバイスで最適な動作をするように設計／実装されており、エントリー・レベルのコーナー・レーダーから4Dイメージング・レーダーまで、広範なアプリケーションにご利用いただけます。さらに、ISO26262に準拠し、ASIL B/Dまでの安全レベルを実現しています。Premium Radar SDKの評価はPCまたはターゲットのNXP製ハードウェア上で行っていただけます。Premium Radar SDKの採用を決定されたお客様はアルゴリズムの詳細を受け取り、さらなるカスタマイズやセンサ設計へのシームレスな統合が可能になります。
NXPのPremium Radar SDKは最新のレーダー・プロセッシング技術を適用する際、既存のレーダー・センサ・ソリューションを補完する追加オプションとしてご利用いただくことができます。そのような利用方法により、お客様は開発工程全体を削減し、開発期間の短縮を図ることが可能です。
レーダー・プロセッサS32R41、S32R45向けPremium Radar SDKはお客様の生産用に供給しています。 新しいアルゴリズム、機能、追加のNXPレーダー・チップセットのサポートは今後のリリースで順次導入いたします。
詳細についてはPremium Radar SDK: Enhancing Radar Performance（レーダー性能の向上）をご覧ください。
Based in Hamburg, Germany, Huanyu has many years of experience in the automotive semiconductor industry, having worked in car access and infotainment prior to his current role in radar and V2X. Huanyu is passionate about continuously improving the safety and comfort of cars and achieving "Vision Zero" through the introduction of innovative technologies.
