斬新なアイデアを生み出す秘訣とは何でしょうか?それはコラボレーションです。多くの人が共通の目標の実現に向けて一丸となって取り組めば、個人が別々に取り組むよりも優れた成果が得られるものです。この理念がNXPの中核にあります。端的に言えば、私たちはともに未来を切り拓いています。
イノベーションにはコラボレーションが不可欠であるという理念に従い、NXPはテキサス州オースティンにスマートホーム・イノベーション・ラボを新設しました。5年の歳月をかけ、数百万ドルの資金を投じて完成したこの新施設は、先進的なデバイスの開発を加速することになるでしょう。まったく新しく築き上げられたこのラボで、NXPと数多くのコミュニティ・パートナーとの緊密なコラボレーションがさらに促進されます。この施設には、最先端のエンジニアリング・リソースに加えて、家具付きのインタラクティブなスペースを備えており、エンジニアは稼働中のホーム環境でインフラ・ソリューションをすぐにテストできます。
没入型のホーム環境を備えたラボ
このラボに人々が集まって、明日のスマートホームをより良く、より安全に、よりセキュアにするブレークスルーが生み出されます。開発者とエンド・ユーザーの双方にとって、未来の住宅に関わる複雑な問題が数多く存在しますが、それをここで効率的に解決することができます。私たちは連携して、自律型ホームの輝かしい未来を実現します。さらに、このラボはスマートホーム・イノベーションの世界的ハブとして機能し、お客様やパートナー企業のみならず、連携する大学や意欲的な学生など多くの人々に最先端の教育とコラボレーション・スペースを提供します。
一般的なエンジニアリング・ラボとの違い
この新しいスペースは、私がこれまで見てきたどのイノベーション・ラボとも異なります。25人以上の先進ソリューション・システム・エンジニアがスタッフとして常駐し、5,200平方フィートものスペースに、家具付きの住宅環境が再現されています。玄関、キッチン、リビング・ルーム、メディア・ルーム、寝室、ジム、ガレージがあり、最新のツールと機器が備えられたアクティブ・エンジニアリング・ベンチや、対面での打ち合わせやバーチャル・コラボレーションに対応する広い会議室が用意されています。また、完了したプロジェクトを技術面から紹介するコーナーもあり、今後の開発と改善に向けてアイデアをさらに前進させ続けるための出発点となります。
この独自のラボ環境は、従来のラボ設備で一般的に可能な範囲をはるかに超えた、最新のユース・ケースの予測とユーザー・エクスペリエンスの向上を可能にします。現実的な環境でテストできるため、新しいソリューションの使いやすさや修理のしやすさ、家庭に置かれたときの見栄えまでも確認できます。
消費者本位の、開発者のためのラボ
このスマートホーム・イノベーション・ラボの主な目的は、パートナー様がより多くの時間をイノベーションに費し、開発に伴う複雑な問題を短時間で解消できるように支援することにあります。
このラボには、開発者がスマートホーム・ソリューションの設計上の重要な課題に対処するために役立つ設備が整っています。私たちは価値あるパートナーとして、複数のハブの管理、オープンソースの独自DIYソリューション、デバイスのプロビジョニングや取り外し、ローカル・エッジ・プロセッシング、使いやすさの改善など、テクノロジの高度な統合に関わる重要な課題に取り組む開発者を支援する事業に投資しています。またこのラボを利用することで、物理的な保護、ネットワークの保護、さらにローカルおよびクラウド・リソース上のプライベート・コンテンツを最適に管理および制御する方法といった観点から、安全性とセキュリティを強化することも容易になります。たとえば、フォールト・トレランス、異常検出、騒音の大きい場所での音声認識などに対応する新たな手法を模索することもできます。
さらにこのラボには、消費者が本当に求めていること、つまりユーザー・エクスペリエンスの問題を解決する最新手法に取り組むための設備が整っています。この目的で研究される機能としては、デバイスのシームレスな相互運用、直感的な音声制御、没入型のマルチメディアとエンターテインメント、正確な位置特定、信頼性の高いネットワーク、効率的なエネルギー管理、高度なウェアラブル、健康的な生活を実現する機能などがあります。
ラボのキッチンで新しいユース・ケースを検討しているNXPのエンジニア
しかし、新しいスマートホーム・イノベーション・ラボは、私がこれまでに見た他のどのラボとも異なり、独自のソリューションを展示するにとどまらず、将来の開発の基盤となっています。またこのラボでは、学生や意欲的なイノベーターによる最先端のテクノロジへの取り組みを支援しています。私たちはここで、将来の生活で役立つことになりそうな、まったく新しいスマートホーム・テクノロジを目にすることができます。
Tomorrow’s World Todayによるプレビュー
プロジェクトの完成が間近に迫った昨年のこと、George Davison氏がこのスマートホーム・イノベーション・ラボに興味を抱いてくれました。Davison氏は熱心なテクノロジ・アンバサダーであり、Science and Discovery Channelsで、イノベーションを題材としたTomorrow's World Todayシリーズのホストを務めています。
Tomorrow’s World Todayの取材班がオースティンを訪れ、シーズン6の最初のエピソードとしてこのラボを取り上げました。ラボのバーチャル・ツアーとして、この番組をご覧になることをお勧めします。20を超えるパートナー様とのコラボレーションや、ラボで既に進行中の30件近いテクノロジ・プロジェクトが紹介されています。
ラボの初期の様子を紹介するテレビ番組エピソードをご覧ください
オースティンは理にかなった選択肢
私たちは、いくつかの理由からスマートホーム・イノベーション・ラボの設置場所をこの都市に定めました。第一に、NXPは50年以上にわたりオースティンに拠点を有しており、このラボは私たちが地域社会と熱心に関わり続けていることの証でもあります。オースティンは、NXPのいくつかの重要な製造事業の拠点であることに加え、IoT (Internet of Things) やスマートホームを含むさまざまな分野におけるNXPの研究開発 (R&D) の中核拠点でもあります。
ラボにはガレージもあり、新しいコネクテッド・ビークル・ソリューションを開発中
また、この地域の人材パイプラインも非常に重要です。このラボは、次世代の有能な人材が半導体業界でのキャリアを開始するために備える場所として重要な役割を果たし、NXPの長きにわたる地域教育パートナーシップを拡充します。また、このラボはオースティンという地域そのものへの投資でもあり、この都市が米国の半導体産業において重要な位置を占めるグローバルなテクノロジ・ハブとして繁栄を継続できるよう支援します。
ともに歩む
スマートホーム・イノベーション・ラボは、NXPが推進しているコラボレーションの一例に過ぎません。NXPは、他の業界のリーダーとの協力による新しいMatter規格の策定についても、パートナー・エコシステムの構築によるスマートホームの展開の合理化についても、地域の大学での人材の育成についても、人々が協力して意見、スキル、経験を共有することの価値を認識しています。
NXPラボのスタッフ
多くの点から見てイノベーション・ラボは、最もテクノロジに精通した人材を結集して、進歩をもたらす画期的なソリューションを構築するというNXPのコア・ミッションを具現化した存在です。
しかし実際には、このラボはスマートホームの発展と成功に関わる全員を支援するための施設です。ラボが完全に稼働している今、私たちは幅広い人々がこの構想に参加することを望んでいます。私たちは業界パートナー様やお客様にこの取り組みへの参画をお願いし、また多くの大学のパートナーや意欲的な学生に対して、新しい世界での学習とスキル開発を体験し、NXPでのキャリアを検討していただけるよう呼びかけています。
次のステップに進む
この新しいイノベーション・ラボにぜひお越しください。私たちがコラボレーションを通じてどのようにスマートホームを次のレベルへと引き上げているかをご覧いただけます。smart.home@nxp.comまでご連絡ください