2023年の排出パフォーマンスのスナップショット

カーボン・ニュートラルに向けたNXPのロードマップには、パリ協定の目標に沿って排出量を削減するために明確に定義された、年次排出削減目標が含まれています。

  • 24%
    2021年の排出量と比較した、スコープ1と2の総排出量の減少率
  • 11.86(百万)
    tCO2eでのスコープ3の総排出量

カーボン・フットプリント

半導体テクノロジの進化に伴い、製造プロセスは複雑化しています。より小型で高速な半導体を製造するには、より多くの処理工程が必要となります。そのため、製造時に消費されるエネルギーが大きくなり、必要となる化学薬品の量も増加します。そのため、排出量の増加につながります。NXPではこの増加を相殺するために、製造プロセスの最適化とプロセス排出の削減に継続的に取り組んでいます。

スコープ1の排出量

GHGプロトコルでは、スコープ1の排出を企業が所有および管理する資源からの直接排出と定義されており、これには自社製造プロセスや定常燃焼(燃料、加熱源など)からの排出が含まれます。NXPのスコープ1の排出量には、製造拠点のデータのみが反映されています。

NXPのスコープ1の排出には、PFCの排出、HTFの排出、化石燃料の消費からの排出のほか、京都議定書の対象ガスである一酸化二窒素 (N₂O) や六フッ化硫黄 (SF₆) などの排出が含まれます。

実績

2014年以降、プロセスの最適化、ツールのアップグレード、排ガス処理装置の設置などの取り組みにより、スコープ1の総排出量は52%減少しました。

スコープ2の排出量

GHGプロトコルでは、スコープ2の排出はユーティリティ・プロバイダより購入したエネルギーの発電に伴う間接排出と定義されています。現時点でNXPは、スコープ2のエネルギーとしてすべて電気を使用しています。スコープ2の排出量を算定する際には、エネルギー・プロバイダの実際の市場ベースの排出量データを使用しています。NXPのスコープ2の排出量には、製造拠点と非製造拠点の両方のデータが反映されています。

実績

過去10年の実績を見ると、処理工程が複雑化し、稼働に必要な電力が増加する中でも、省エネルギー、再生可能エネルギーの調達、プロセス・ツールの最適化といった取り組みにより、スコープ2の排出量は継続的に減少しています。2023年のスコープ2の総排出量は、2022年に比べて17%減少しました。

スコープ3の排出量

NXPは事業活動の影響が自社以外にも及ぶことを認識しており、自社のみならず、バリュー・チェーン全体での排出に対応することの重要性を認識しています。温室効果ガス (GHG) プロトコルでは、スコープ3の排出は報告事業者のバリュー・チェーン内で発生する、スコープ2には含まれない間接排出として定義されており、上流および下流の排出が15種類のカテゴリに分類されています。

2023年にはNXPとして初めて、15のすべてのカテゴリに関するスコープ3の排出量について、包括的かつ詳細に分類することに取り組みました。この作業は、GHGプロトコルに定められた算定ガイダンスに従って行われました。また同時に、2022年に掲げたScience Based Targets intiative (SBTi) へのコミットメントの一環として、スコープ3の排出量基準を決定し、2023年中に目標を設定することを目指しました。


実績

2023年のスコープ3の総排出量は11,857,054トンCO₂eとなり、NXPの総カーボン・フットプリントの93%を占めました。この結果は、あらゆる企業の厳格な境界を超えた責任ある環境スチュワードシップの重要性を明確に示しています。製品におけるエネルギー消費量削減対策の継続的な実施、算出方法の若干の変更、工場の負荷軽減の結果、2023年のスコープ3の総排出量は2022年と比べて減少しました。

15のカテゴリのうち、3つのカテゴリの合計がNXPのスコープ3の総排出量の約98%を占めていることが分かりました。その3つのカテゴリは、消費量が大きいものから順に、カテゴリ11 - 販売した製品の使用、カテゴリ1 - 購入した製品・サービス、カテゴリ2 - 資本財です。また、評価の過程で、現時点では2つのカテゴリ(カテゴリ14 - フランチャイズとカテゴリ15 - 投資)の影響はさほど大きくないという結論に至りました。