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カーボン・ニュートラルに向けたNXPのロードマップには、パリ協定の目標に沿って排出量を削減するために明確に定義された、年次排出削減目標が含まれています。
半導体テクノロジの進化に伴い、製造プロセスは複雑化しています。より小型で高速な半導体を製造するには、より多くの処理工程が必要となります。そのため、製造時に消費されるエネルギーが大きくなり、必要となる化学薬品の量も増加します。そのため、排出量の増加につながります。NXPではこの増加を相殺するために、製造プロセスの最適化とプロセス排出の削減に継続的に取り組んでいます。
NXPでは、GHG(温室効果ガス)排出量の算定と報告に関する国際的に認められた基準であるGHGプロトコルに従って、カーボン・フットプリントを測定しています。プロトコルで定義された3つすべてのカテゴリ、つまりスコープ1(直接排出)、スコープ2(自社による間接排出)、スコープ3(上流および下流の排出)について報告しています。
NXPのスコープ3の排出量は自社事業以外の要因によるものですが、明らかにスコープ1とスコープ2の排出量を大きく上回っています。NXPでは、スコープ1、スコープ2での脱炭素化への取り組みに引き続き注力するとともに、スコープ3のフットプリントを削減する方法の確立を図り、2024年にはスコープ1、スコープ2、スコープ3のSBTを検証する予定です。
2023年のスコープ1、2、3の排出量の割合
再生可能エネルギー購入量の増加、工場稼働率の低下、排出量削減プロジェクトの実施により、スコープ1と2の総排出量は2022年に比べて23%減少しました。10年にわたる集中的な取り組みの結果、スコープ1およびスコープ2の排出量は大幅に削減されました。NXPでは、中期目標として、2027年までにスコープ1およびスコープ2の総排出量を2021年の基準比で35%削減することを掲げています。現時点では、2021年以降、スコープ1とスコープ2の排出量で24%の削減を実現しています。
GHGプロトコルでは、スコープ1の排出を企業が所有および管理する資源からの直接排出と定義されており、これには自社製造プロセスや定常燃焼(燃料、加熱源など)からの排出が含まれます。NXPのスコープ1の排出量には、製造拠点のデータのみが反映されています。
NXPのスコープ1の排出には、PFCの排出、HTFの排出、化石燃料の消費からの排出のほか、京都議定書の対象ガスである一酸化二窒素 (N₂O) や六フッ化硫黄 (SF₆) などの排出が含まれます。
2014年以降、プロセスの最適化、ツールのアップグレード、排ガス処理装置の設置などの取り組みにより、スコープ1の総排出量は52%減少しました。
GHGプロトコルでは、スコープ2の排出はユーティリティ・プロバイダより購入したエネルギーの発電に伴う間接排出と定義されています。現時点でNXPは、スコープ2のエネルギーとしてすべて電気を使用しています。スコープ2の排出量を算定する際には、エネルギー・プロバイダの実際の市場ベースの排出量データを使用しています。NXPのスコープ2の排出量には、製造拠点と非製造拠点の両方のデータが反映されています。
過去10年の実績を見ると、処理工程が複雑化し、稼働に必要な電力が増加する中でも、省エネルギー、再生可能エネルギーの調達、プロセス・ツールの最適化といった取り組みにより、スコープ2の排出量は継続的に減少しています。2023年のスコープ2の総排出量は、2022年に比べて17%減少しました。
NXPは事業活動の影響が自社以外にも及ぶことを認識しており、自社のみならず、バリュー・チェーン全体での排出に対応することの重要性を認識しています。温室効果ガス (GHG) プロトコルでは、スコープ3の排出は報告事業者のバリュー・チェーン内で発生する、スコープ2には含まれない間接排出として定義されており、上流および下流の排出が15種類のカテゴリに分類されています。
2023年にはNXPとして初めて、15のすべてのカテゴリに関するスコープ3の排出量について、包括的かつ詳細に分類することに取り組みました。この作業は、GHGプロトコルに定められた算定ガイダンスに従って行われました。また同時に、2022年に掲げたScience Based Targets intiative (SBTi) へのコミットメントの一環として、スコープ3の排出量基準を決定し、2023年中に目標を設定することを目指しました。
2023年のスコープ3の総排出量は11,857,054トンCO₂eとなり、NXPの総カーボン・フットプリントの93%を占めました。この結果は、あらゆる企業の厳格な境界を超えた責任ある環境スチュワードシップの重要性を明確に示しています。製品におけるエネルギー消費量削減対策の継続的な実施、算出方法の若干の変更、工場の負荷軽減の結果、2023年のスコープ3の総排出量は2022年と比べて減少しました。
15のカテゴリのうち、3つのカテゴリの合計がNXPのスコープ3の総排出量の約98%を占めていることが分かりました。その3つのカテゴリは、消費量が大きいものから順に、カテゴリ11 - 販売した製品の使用、カテゴリ1 - 購入した製品・サービス、カテゴリ2 - 資本財です。また、評価の過程で、現時点では2つのカテゴリ(カテゴリ14 - フランチャイズとカテゴリ15 - 投資)の影響はさほど大きくないという結論に至りました。
出張はNXPのスコープ3の排出量を大きく占めるものではありませんが、重要な排出カテゴリであることに変わりはありません。2023年には、出張関連の排出量を相殺するエアライン・プログラムに参加しました。その結果、国際的な気候変動対策機関であるmyclimateのドイツ支部から、1トンの温室効果ガスのオフセットを表す証明書が授与されています。
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