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NXP Semiconductorsはi.MX 8ULPファミリ、i.MX 8ULP-CS(クラウド・セキュア)Microsoft Azure Sphere認証済みファミリ、高性能インテリジェント・アプリケーション・プロセッサの次世代i.MX 9シリーズを発表し、EdgeVerse™クロスオーバー・アプリケーション・プロセッサ・ポートフォリオを拡充しました。今回の拡充の一環として、エッジ・セキュリティを強化するEdgeLockセキュア・エンクレーブと電力効率を最大化するEnergy Flexアーキテクチャという革新的技術も発表しました。
NXP Semiconductorsの上席副社長兼エッジ・プロセッシング・ビジネス担当ゼネラル・マネージャーのRon Martinoは、次のようにコメントしています。「エッジの次代の進化をけん引するのは数十億個のデバイスをカバーする分散型インテリジェンスですが、プロセッシング、電力効率、セキュリティにおける広範なイノベーションを必要とします。Microsoft Azure Sphereを含む今回の発表は、超低消費電力プロセッシングと信頼性の高いクラウド・エッジ間セキュリティに関し業界のマイルストーンとなります」。
EdgeLockセキュア・エンクレーブ:自己完結型の同一ダイ上に統合されたセキュリティ・サブシステム
NXPはターンキー・セキュリティ・ソリューションの提供における長年の歴史を活かし、複雑なセキュリティ技術の実装簡素化とコストのかかるエラーの防止を可能にする事前構成済みセキュリティ・サブシステムとして、EdgeLockセキュア・エンクレーブを発表しました。Root of Trust、ランタイム証明、トラスト・プロビジョニング、セキュア・ブート、鍵管理、暗号化サービスなどの重要なセキュリティ機能の自律管理によりエッジ・デバイスに対する保護を強化し、同時にセキュリティ認証のプロセスも簡素化します。EdgeLockセキュア・エンクレーブはエンドユーザー・アプリケーション動作時の新たな攻撃対象領域の出現防止を可能にするため、電力遷移をインテリジェントにトラッキングします。セキュア・エンクレーブはi.MX 8ULP、Azure Sphere認証済みi.MX 8ULP-CS、i.MX 9アプリケーション・プロセッサ全般で標準機能となり、多数のエッジ・アプリケーションへのセキュリティの導入を容易にする広範なコンピューティング・スケーラビリティ・オプションを開発者に提供します。
Azure Sphereにより安心なセキュリティ機能を提供
最初に導入した後もエッジ・デバイスのセキュリティを長期的に維持するには、信頼性の高い管理サービスが常時必要になります。NXPはマイクロソフトとの協力によりお客様にこうした機能を提供し、i.MX 8ULP-CS(クラウド・セキュア)アプリケーション・プロセッサ・ファミリでAzure Sphereチップ・クラウド間セキュリティを実現しました。Azure Sphere認証済みi.MX 8ULP-CSはシリコン自体に組み込まれたセキュアなRoot of Trustとして、EdgeLockセキュア・エンクレーブ上にMicrosoft Plutonを搭載しており、広範なIoT/産業アプリケーション向けの高度にセキュアなデバイスを可能にする重要な一歩となります。セキュアなハードウェアに加え、Azure SphereはセキュアなAzure Sphere OS、クラウドベースのAzure Sphere Security Service、10年超にわたる継続的OSアップデートとセキュリティ向上を提供します。Azure Sphereチップ・クラウド間セキュリティがi.MX 9シリーズの製品で対応可能になり、開発者に、管理されたデバイス・セキュリティを製品の多くで実装するためのさらに広範なプロセッサ・オプションを提供します。
Microsoft Azure Sphereのディスティングイッシュト・エンジニア兼マネージング・ダイレクターのGalen Hunt博士は、次のようにコメントしています。「今回の協力により、進化を続けるセキュリティによってサポートされる新たな種類のコネクテッド・デバイスすべての機能が向上します。Microsoft Azure Sphere準拠i.MX 8ULP-CSはパートナーにセキュリティ、生産性、機会を提供します。NXP i.MXチップ・ファミリの性能とフレキシビリティを、インテリジェントで反応の速いAzure Sphereセキュリティと広範に組み合わせることにより、マイクロソフトのサポートによる安心感をお客様に提供し、お客様による製品、サービス、エクスペリエンスの変革を可能にします」。
特定用途向け電力性能プロファイルに最適なEnergy Flexアーキテクチャ
チップレベルでの消費電力最適化は、電力効率の高いエッジ・システムの設計においてますます重要性が高まっています。NXPによる革新的なEnergy Flexアーキテクチャは、ポータブルまたはプラグイン・デバイスのバッテリ寿命延長と電力の浪費低減を目的としています。
Energy Flexアーキテクチャはi.MX 8ULPとi.MX 8ULP-CSファミリにおいて、ヘテロジニアス・ドメイン・プロセッシング、設計技術、28nm FD-SOIプロセス技術のユニークな組み合わせにより、前世代製品と比較して電力効率の最大75%向上を実現します。これらのプロセッサに組み込まれているのは、20を超えるさまざまな電力モード構成を制御可能でフルパワーから30マイクロワットの低消費電力に至るまでの優れた電力効率を提供するプログラマブルなパワーマネジメント・サブシステムです。こうした柔軟な構成により、OEM企業や開発者は特定用途向け電力プロファイルのカスタマイズが可能になり、電力効率を最大化できます。
マルチセンサリー・データ向けの先進インテリジェント・アプリケーション・プロセッサ
NXPのi.MX 9シリーズは市場で実績のあるi.MX 6とi.MX 8シリーズをベースとしており、次世代のスケーラブルな高性能アプリケーション・プロセッサを実現します。スケーラブルなi.MX 9ファミリは高性能アプリケーション・コア、MCUと同様の独立リアルタイム・ドメイン、Energy Flexアーキテクチャ、EdgeLockセキュア・エンクレーブによる最新セキュリティ、専用マルチセンサリー・データ処理エンジン(グラフィック、画像、ディスプレイ、オーディオ、音声)を提供します。i.MX 9シリーズは全シリーズで機械学習アプリケーションのアクセラレーション向けにハードウェア・ニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を統合します。さらに、i.MX 9シリーズはNXP製品で初めてArm® Ethos U-65 microNPUを実装しており、低コストで電力効率の高いエッジ機械学習(ML)の構築を可能にします。このシリーズの最初のファミリは、特有の低消費電力最適化機能を備えた16/12nm FinFETクラスのプロセス技術により構築されます。
製品と技術の詳細については、NXPサイトをご覧いただくか、NXPの営業所にお問い合わせください。
NXP Semiconductorsについて
NXP Semiconductorsは、よりスマートな世界を実現するセキュア・コネクションを可能にし、人々の生活をより便利に、より良く、より安全にするソリューションを推進しています。組み込みアプリケーション向けのセキュアなコネクティビティ・ソリューションで世界をリードするNXPは、オートモーティブ、インダストリアル& IoT、モバイル、通信インフラ市場における技術革新をけん引しています。60年以上にわたって蓄積した経験と技術を活かし、NXPは世界30か国強で約2万9,000名の従業員を擁しています。2020年の売上高は86.1億米ドルでした。詳細はWebサイトwww.nxp.comをご覧ください。
NXPジャパンはNXP Semiconductorsが開発および製造するプロセッシング・ソリューション、認証技術、コネクティビティ、高出力RFやアナログ製品などを日本市場に提供しています。本社は東京都渋谷区で、名古屋および大阪に営業所があります。詳細はWebサイトwww.nxp.jp(日本語)をご覧ください。
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