NXPは、車載アプリケーション向けOrangeBoxコネクティビティ・ドメイン・コントローラ開発プラットフォームのエコシステムを拡大し、9社の戦略的パートナーによる新しいサイバーセキュリティおよびソフトウェア・ソリューションを含めました。OrangeBox開発エコシステムに対するサードパーティのサポートの拡大は、ソフトウェア・デファインド・ビークルへの移行を加速し、新たに台頭しつつあるゾーン・アーキテクチャを補完するドメインベース・アーキテクチャを介した自動車のワイヤレス・コネクティビティの統合を促進します。
OrangeBoxのエコシステムの拡大および進化に伴い、このプラットフォームは、不可欠なワイヤレス・テクノロジを一元化された車載プラットフォームに統合できるよう開発者を支援するとともに、ハードウェアとソフトウェアのコストの削減と複雑さの低減を実現しながら、安全でセキュアなコネクティビティを強化します。
コネクテッド・カーをセキュアに
NXPはBitfdefender およびRinf.tech と提携し、スマート・コネクテッド・カーのセキュリティ確保と車載サブシステムへのマルウェアの侵入防止を目的として設計された、卓越したサイバーセキュリティおよびファイアウォール・ソリューションを提供しています。このソリューションは、ソフトウェア・デファインド・ビークルをランサムウェアや悪意のある攻撃、さらには機密性の高い情報(決済、追跡、ナビゲーションなど)に関連するデータ侵害から保護するとともに、運転手の安全に関わるインシデントを減らすためにも役立ちます。
VicOne のxCarbonおよびxNexusソリューションは、オンボードの侵入検知および侵入防止システム (IDPS) を提供しています。これは、リアルタイムのイーサネット・ディープ・パケット・インスペクション (DPI) およびCANバス・モニタリングと機械学習 (ML) によるクラウド分析を兼ね備えています。
NXPのOrangeBox車載用コネクティビティ・ドメイン開発プラットフォーム
OTA (Over-the-Air) ソフトウェア・アップデートを合理化
OEM各社は、競争の激しい自動車市場で差別化を図るために、安全性とインフォテイメント機能を強化したソフトウェア・デファインド・ビークル・プラットフォームを継続的に開発しています。Menderのエンド・ツー・エンドのOTAアップデート・ソリューションは、自動車メーカーがイノベーションに注力できるよう支援し、自社開発のOTAインフラストラクチャの構築やサポートに時間を割く必要性をなくします。Menderのオープンソース・モデルは、自動車メーカーに対して、自社がすべてを管理し、ベンダ独自のソリューションに縛られていないことへの自信を与えてくれます。OrangeBoxを使用する開発者は、Menderのエンド・ツー・エンドのオープンソースOTAアップデート・ソリューションをすぐに活用することができます。
テレマティクス向けオープンソース・ミドルウェア
NXPは、戦略的アドバイスおよびソリューションの設計や提供を行うフルサービス・テクノロジ・パートナーのLuxoft と協力して、OrangeBoxでテレマティクス・アプリケーション向けのオープンソース・ミドルウェア・ソリューションを開発し、ソフトウェア・デファインド・ビークルの開発を加速しています。このテレマティクス・ミドルウェアは、ハードウェアを抽象化し、アプリケーションに標準APIを提供します。ベースラインとなるテレマティクス・ソフトウェア機能の提供と、アプリケーション開発エクスペリエンスの簡素化を目標としています。
OrangeBox向けLuxoftテレマティクスSDKソリューション
卓越したクラウド・コネクティビティ
OEM各社は、車両データとソフトウェア・デファインド・ビークルの機能に基づいたデジタル変革を進めています。そして、この変革の基盤として、世界中の何百台もの車両に向けたレジリエントなクラウド・サービスに依拠しています。NXPでは、IoT CoreやIoT Greengrass、IoT FleetWiseなどの Amazon Web Services (AWS) IoT サービスとOrangeBoxとの事前統合サポートを提供し、OEMによるクラウド・コネクティビティやクラウド・ネイティブ・アプリケーションの実装を支援しています。NXPは、コネクテッド・ソフトウェア・デファインド・ビークルの開発、導入、および管理の実現過程を簡素化します。
V2X (Vehicle-to-Everything) コネクティビティの強化
NXPは、革新的なコネクテッド・カー・ソリューションのリーディング・サプライヤーとして定評のあるCohda Wireless と連携し、業界標準のV2X-Stack をOrangeBox BSPリリースと統合することで車載V2Xアプリケーションの開発を可能にしています。
テレマティクス向け製造オプションの拡充
NXPは、OrangeBoxソフトウェア・エコシステムの拡大に加え、iWave Systems やL4B Automotiveを含むエンジニアリング・サービス・プロバイダと協力して、システム開発全体の市場投入までの時間の短縮を支援しています。
Orangeboxでプロトタイピングをすぐに始めましょう。OrangeBox開発エコシステムによって提供されるコネクティビティとセキュリティ関連テクノロジの詳細については、こちらをご覧ください。
OrangeBoxは、NXPのシリコン、事前統合、およびサードパーティ製ソフトウェアによって実現される、プロトタイピングおよびユース・ケース開発向けの包括的な開発プラットフォームを提供します。開発者は、このプラットフォームの広範かつセキュアなワイヤレス・コネクティビティ機能により、コネクティビティ・ドメインまたはゾーン・コントローラの要件を満たす車載ソリューションを創出することができます。OrangeBoxを使用すると、外部のワイヤレス・コネクティビティを1つのサブシステムで管理できるため、自動車に流入するすべてのワイヤレス・トラフィックに最先端のセキュリティ保護を適用することが可能となり、クラウド・オーケストレーションとOTAソフトウェア・アップデートが簡素化されます。
OrangeBoxには、スケーラブルなi.MX 8XLiteアプリケーション・プロセッサ、S32Kセーフティ・コプロセッサのほか、V2X、Wi-Fi、Bluetooth、UWB、4G LTE、5Gセルラー、GPS/GNSS測位、ソフトウェア無線などを介した安全な方法による外の世界へのセキュア・カーアクセスを実現するために必要なワイヤレス・コネクティビティが統合されています。NXPは、自動車市場向けのシリコン、ソフトウェア、セキュリティ・テクノロジ、および開発プラットフォームのリーディング・プロバイダとして、これらのワイヤレス・テクノロジを多数提供するとともに、サードパーティのパートナーと協力してソフトウェアのサポートを拡充しています。
このプラットフォームは、市場投入までの時間を短縮し、次世代のNXPプロセッサによる将来性が確保された設計をサポートします。また、ワイヤレス/セルラー・コネクティビティ、GPS、ラジオ・チューナなどの要件に関して変わり続ける規格群にも、標準のインターフェースを使用して対応します。
OrangeBoxは、広く普及しているNXPのGoldBox車載ネットワーキング・プラットフォームとシームレスに統合し、他の車載システムでもワイヤレス・コネクティビティを容易に活用できるようにします。GoldBoxを補完することで、OrangeBoxはすべての外部ワイヤレス・コネクティビティに対する最前線の防御策として機能し、車と外の世界との間のセキュアで信頼性の高いインターフェースを提供します。