開発者は、さまざまなプロセッサが使用されることが多い広範な製品に向けた複雑なソフトウェア設計において、かつてないほど多くの課題に直面しています。NXPのMCUXpresso開発者エクスペリエンスは、異なるMCUプラットフォーム間に共通のフレームワークを提供することで、これらの課題の多くを解決します。NXPは、新しいワイヤレスFRDMボードを使用したワイヤレス・コネクティビティにより、これをさらに拡充しています。
開発者は、以下に示すFRDM-RW612ボードおよびFRDM-MCXW71ボードを使用することで、スマートホームおよび産業用アプリケーションにMatterやWi-Fi、Thread、Zigbee、Bluetooth LEのコネクティビティを容易に追加できるようになります(図3を参照)。どちらのボードも、迅速なプロトタイプ作成のためのArduino、Mikrobus、PMODのヘッダに加え、NXPの拡張ボード・ハブ で入手可能なアドオン・ボードを備えています。MCUXpresso SDKおよびアプリケーション・コード・ハブ で幅広いソフトウェア・サンプルが提供されているとともに、複数のIDEをサポートしているため、開発者は適切な開発環境を選択することが可能です。拡張可能なハードウェア、豊富なソフトウェア、および充実したコミュニティ を兼ね備えたワイヤレスFRDMボードは、開発者にとって、革新的なワイヤレス・ソリューションを迅速に試し、設計し、プロトタイプ作成を行うための最適なプラットフォームとなります。
高集積のWi-Fi 6対応トライラジオ・ワイヤレスRW612 MCUをベースにしたFRDM-RW612
セキュアな超低消費電力マルチプロトコル・ワイヤレスMCX W71x MCUをベースにしたFRDM-MCXW71
IoTデバイス・ポートフォリオの作成に使用されるFRDMボード
FRDM-RW612:1つのRW61x MCUを使用した、HMIおよびWi-Fi、Thread、Zigbee、Bluetooth LE対応の豊富なコネクティビティ
FRDM-RW612は、RW61xシリーズのMCUに対する迅速で柔軟な開発とプロトタイプ作成を可能にします。260 MHzのArm Cortex-M33をベースにしたRW61xトライラジオMCUシリーズは、i.MX RTクロスオーバーMCUおよびペリフェラルの優れた処理性能と、先進的なMatter、Wi-Fi、Thread、Zigbee、Bluetooth LE、およびイーサネットのコネクティビティを組み合わせて、小型で堅牢な設計を実現します。RW612の高性能コアとコネクティビティは、ゲートウェイやハブから小型のスマート・プラグやウォール・スイッチまで、常時電源オンのさまざまなIoTデバイスにThreadボーダー・ルーター機能(Wi-Fiまたはイーサネットを介してThreadネットワークをインターネットに接続)を組み込むための最適なソリューションを提供します。RW61xシリーズは、内蔵LCDインターフェース、LVGLグラフィックスのサポート、およびVIT (Voice to intent) 機能を備えた、サーモスタット、ホーム・ディスプレイ、スマート・プラグ、スマート・スピーカ、コントロール・パネルなどさまざまなスマートホームおよび産業用IoTデバイス向けのシングルチップ・ソリューションです。
FRDM-RW612ボードは、開発者がRW61xのHMIペリフェラルとコネクティビティを使用して、アプリケーションのプロトタイプ作成を容易に行えるようにします。例えば、PMODコネクタを使用して、拡張ボード・ハブから入手可能なLCD-PAR-S035ディスプレイをFRDM-RW612ボードに簡単に接続できます。さらに、RW61xの内蔵LCDインターフェースは、外部ドライバを必要とせずにディスプレイを直接駆動するため、コスト、ボードのスペース、および開発時間の削減につながります。
FRDM-MCXW71:低消費電力のMatter、Thread、Zigbee、Bluetooth LE対応エンド・ノードでIoTを拡張
RW61xが豊富なHMIエクスペリエンスとトライラジオ・コネクティビティを提供する一方で、MCX W71x MCUファミリはセキュアな低消費電力IoTエンド・ノード向けのシングルチップ・ソリューションを提供します。96 MHzのArm Cortex-M33で駆動されるMCX W71xは、超低消費電力のアーキテクチャとエネルギー効率に優れた無線通信を使用して、Matter、Thread、Zigbee、Bluetooth LEのコネクティビティを実現します。MCX W71xは、温度センサ、スマート・ブラインド/カーテン、スマート・プラグ、ドア・ロックなどのエンド・ノード向けに設計されており、セキュアなワイヤレス接続を実現するとともに、バッテリー寿命を最大限に延ばします。アップグレード可能な無線サブシステムにより、デバイスをその場でアップデートできるため、将来にわたって最新の無線通信スタンダードに対応可能になります。
開発者は、FRDM-MCXW71ボードを使用することで、Thread、Zigbee、またはBluetooth LEのコネクティビティを必要とする低消費電力エンド・ノードのプロトタイプ作成を迅速化できます。PCBトレース・アンテナが内蔵されているため、開発者はMatterなどのワイヤレス・ネットワークをすばやく構築してテストできます。また、アドオン・ボードを使用することで、設計者はプロトタイプを迅速に作成し、エンド・デバイスの機能とネットワーク・コネクティビティを実証することができます。
比類なきソフトウェア、ツール、コミュニティ・サポートを備えたMCUXpressoで開発者エクスペリエンスを拡充
RW61xおよびMCX W71の開発エクスペリエンスの中核を成すのは、FRDMボードでのソフトウェア開発を加速するMCUXpressoスイートのソフトウェアとツールです。1つのSDKでMCX W71xファミリとRW61xファミリの両方に対応し、以下に示す複数のIDEをサポートします。
- Visual Studio Code (VS Code):迅速で柔軟な開発に役立つNXPのVS Code拡張機能。
- MCUXpresso IDE:NXP MCU向けにカスタマイズされ、使いやすく最適化されたEclipseベースのIDE。
- IAR Embedded Workbench:安全性が保証され、高度な最適化が可能なC/C++向けコンパイラおよび開発環境。
開発者エクスペリエンスの幅広いサポート
NXPのランタイム・ソフトウェアによる簡素化と迅速化
上記に加え、MCUXpresso SDKには、FreeRTOSベースのオープンソースのサンプルとともに、MQTTを使用したAmazon AWS CloudにイーサネットとLWIPまたはWi-Fiを介して接続するオプションが含まれています。
- MCUXpresso SDKには、IDE、SDKビルダ、またはGitHubからドライバを直接ダウンロードするためのサポートが含まれています。
- オープンソースの標準デリバリ・メカニズムを使用してミドルウェアにアクセスするためのOpen-CMSIS-Pack。
- ZephyrプラットフォームのサポートとFreeRTOSのサンプル。
- NXPのアプリケーション・コード・ハブ から入手可能な幅広いアプリケーション・ソフトウェア。
NXPの最上級のコミュニティによるサポート
NXPのコミュニティ・フォーラムは、エンジニアや愛好家、開発者が連携し、NXPの製品およびソリューションについて学び、議論するためのプラットフォームを提供します。
次のコネクティビティのプロトタイプ作成を開始できるよう、NXP.comのFRDM-RW612およびFRDM-MCXW71のページにアクセスして、詳細情報と最新のアップデートを入手してください。
NXPのコミュニティ で、FRDM-RW612およびFRDM-MCXW71に関する知識を深めることができます。